矯正治療をする前に知っておくべき注意点とは?後悔しないように事前に知っておくべきこと9選
「矯正したけど、やらなきゃよかった」このような後悔は避けたいのではないでしょうか。矯正する前に費用や治療法、治療期間を知っておいた方が後悔なく、矯正に望めるでしょう。本記事では矯正を検討している方に向けて、知っておいた方がいいポイントを解説いたします。
矯正治療する前にチェックすること
まずは、矯正治療する前に知っておいた方がいいことを説明いたします。1つ目は現在の歯の状態を知ることです。虫歯はあるでしょうか。矯正中は虫歯の治療が難しくなるため、虫歯がある場合は矯正前に治療を受けましょう。また、見えない部分に虫歯が見込まれる場合もあるため、必ずレントゲン写真で確認してもらいます。歯周病のまま矯正治療を始めると、歯周病が悪化する可能性があります。また、歯周病を患っているのでしょうか。歯周病は歯肉や歯を支える骨、歯の根に炎症を引き起こす病気で、歯槽膿漏とも呼ばれます。虫歯がなくても歯周病にかかると、骨が減少し歯が不安定になり、最終的には抜けてしまうことがあります。そのため、矯正治療を始める前に、歯周治療を行いましょう。親知らずはあるでしょうか。親知らずがある場合、奥歯の歯並びを変えることが難しい場合があります。
親知らずは通常20歳前後に生えることが一般的ですが、埋没して歯茎の中に埋まっていることもあります。そのため、レントゲン写真で親知らずの有無、位置、方向を確認し治療しておくことが大切です。顎関節症は患っているでしょうか。顎関節症はカクカクやゴリゴリと音がしたり、顎が痛くなったりいたします。矯正し終わってから噛み合わせを元の状態に戻すことは難しく、矯正治療中に顎関節症を治療することは難しいです。また、矯正治療中に顎関節に負担がかかる可能性もあります。ワイヤー矯正を行う場合は就寝時にマウスピースを使用することは見込まれないため、矯正治療を始める前に顎関節症を患っているか確認しましょう。一方、マウスピース矯正を行う場合は歯の移動と顎の位置を変える可能性があるため、歯科医師の診断が非常に重要です。このように歯列矯正の対処法に応じて、顎関節症に対するアプローチが変わります。
2つ目は治療法です。治療法は表側ワイヤー矯正や裏側ワイヤー矯正、マウスピース矯正などがあります。治療法はまず口の中の状態を確認し、精密検査を行ったうえでわかります。そのため、おすすめする治療法は歯の状態や医者の判断で変わります。矯正を始める前に、担当の医師としっかりお話し納得いくまで話し合いましょう。3つ目は治療期間です。初回のカウンセリングで、大まかな治療期間の目安を知ることが見込まれます。治療法により治療期間が異なり、治療が完了するまで長い期間がかかるケースもあります。「成人式を控えているのでそれまでに治療を完了したい」といった希望の期日がある場合は、その旨を歯科医師に伝えることが大切です。4つ目は、治療費用です。矯正歯科により費用や支払い方法が異なります。治療費用は精密検査料、装置料、調整料、保定装置料などが含まれることがあります。支払い方法は、一括払い以外にローンを組んだり、窓口での分割払い、銀行振り込みなどがあります。治療費用や支払い方法は、事前に確認しておきましょう。
矯正治療中に気を付けること
矯正治療中に気を付けることは、治療する前に知っておきましょう。1つ目は、矯正治療中は虫歯のリスクが高まることです。矯正装置が取り付けられることで、ブラッシングが難しくなるからです。たとえば、表側矯正の場合だとブラケットといったワイヤーが歯の表面に1本ずつ取り付けられるため、歯ブラシを当てても毛先が歯に届きにくくなります。そして歯ブラシの毛先が矯正器具に当たりにくくなり、歯垢やプラークを除去するのが難しくなります。そのため、定期的に歯科検診を受けて歯や矯正器具の状態を確認し、虫歯や歯周病の早期発見と予防をしましょう。2つ目は、歯の状態や矯正方法により2年~3年の長期間通院する必要があることです。
矯正装置を装着している場合、装置の調整やゴムの交換などのメンテナンスをいたします。ワイヤー矯正の場合は1ヶ月に1回、マウスピース矯正の場合は1ヶ月半~2ヶ月に1回の通院が必要です。矯正治療が完了した後、保定期間が始まり、保定装置を装着いたします。治療装置を取り外した直後は、歯茎や骨が歯の新しい位置に適応していないため、歯並びが元に戻りやすいです。そのため、歯をできるだけ元の位置に戻らないように固定いたします。保定期間は3ヶ月~6ヶ月に1回程度の通院が必要です。3つ目は、手入れが必要です。保全期間に使うリテーナーは年単位で使用する装置のため、日々お手入れが大切です。手入れ方法は以下の2つの方法があります。
・1日1回、歯ブラシを使用して洗浄するリテーナーに水を流しながら、歯磨き粉を使わずに歯ブラシで磨きます。この際、冷たい水よりも温かい水を使用すると、汚れが柔らかくなり、より効果的に取り除けます。ただし、高温のお湯を使用すると装置が変形する可能性があるため、気をつけてください。・矯正用のリテーナー用の洗浄剤や、矯正装置用の洗浄剤を使用する2~3日に1回、矯正装置用の洗浄剤を使用してリテーナーを洗浄することで、細菌の繁殖を抑え臭いの発生を防ぎます。ただし、洗浄剤の使用時間を極端に短くしたり長くしたりしないようにしましょう。長時間つけ置きすると、金属部分が変色する可能性があります。適切なお手入れを行うことで、リテーナーを清潔で効果的に使いつづけることが見込まれます。4つ目は、歯茎や歯に痛みを感じることがあります。とくに成人の歯列矯正は、歯茎や骨が成長して固まった状態から歯を移動させます。そのため、成人の方は小児に比べてとくに矯正装置による痛みを感じます。装置を装着してから36時間までが痛みのピークで、時間が経過するにつれて痛みは軽減されます。もし痛みが出てきたら、以下のやり方で軽減しましょう。 ・おかゆなど、柔らかく水分の多い食べ物を食べる・痛み止めを服用する・矯正用ワックスを使用する5つ目は、食べ物に気を付けることです。具体的には以下の食べ物です。・歯につきやすい食べ物ガムやキャラメル、餅、ソフトキャンディ、グミなど。装置にくっつきやすく、取り除くのが難しくなるためです。・硬い食べ物せんべいやクッキー、ステーキ、スルメイカなど。装置に当たると変形したり外れたりする可能性があるため、注意が必要です。食べる際には小さく砕いて、奥歯で噛むように心がけましょう。・装置に挟まりやすい食べ物えのきやニラ、ほうれん草、麺類、長ネギ、ひじきなど。繊維が多く、装置に絡みついて取りにくくなる可能性があります。食べる際は、装置に挟まないように心掛けましょう。
まとめ
矯正して後悔しないように、現在の歯の状況や治療方法、治療期間、治療費用の目安は確認しておきましょう。治療期間や治療費用は治療方法により大きく異なります。また、矯正治療中は虫歯になりやすく、通院が必要だったり、装置の手入れが必要だったり、痛みを感じることがあります。通院頻度や期間は治療方法により変わり、ワイヤー矯正の場合は1ヶ月に1回、マウスピース矯正の場合は1ヶ月半~2ヶ月に1回程度です。そのため、できるだけ通いやすいアクセスのいい矯正歯科を選びましょう。